2021/06/03 1周忌の森から

「本当に大きな支えのような人でした」

こう話すのは、私たちのリモート・インタビューに

答えて下さった女優の竹下景子さん。

去年春に亡くなった信濃町在住の作家、CWニコルさんの思い出と

森のこれからを「news every.」で語って頂いた。

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【新緑が淡い信濃町・アファンの森/5月14日撮影】

            ✤

ニコルさんと古くから親交のあった竹下さん。

「訪ねるたびにアファンの森が変わっていなあと感じながら、

 ニコルさんには本当に色々なことを教えてもらった。

 ああ、もっとたくさん伺っておけばよかったなと思って」

(竹下さん談)

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竹下景子さんが朗読する詩「森の祈り」をWebで拝見した。

「森の祈り」はニコルさんが遺した最後の言葉だという。

それが竹下さんの深く柔らかな声に乗って伝わってくる。

ぜひ皆さんにも視聴いただきたい一本だ。

(✤一般財団法人「C.W.ニコル・アファンの森財団」HPから視聴)

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5月半ば、取材クルーとともに森を訪ねた。

風と渓流の音、鳥の声しか聞こえない森を歩いていると、

ふっと木の陰からニコルさんが出てきそうな気配がある。

「ニコルは森になった、森に還ったと我々は思ってます」

案内してくれた財団スタッフのOさんが穏やかに笑った。

そうか、その辺にいるんですね、ニコルさん。

そう思うと、寂しさも少しばかりやわらぐ気がする。

2021/05/21 「介護」のない国から

当初の案は英字表記の「KAIGO」だったのだが、

見た目の分かり易さとシンプルさなどを理由に

「介護」という漢字表記にタイトルは落ち着いた。

①お年寄りと向き合う介護士ロフマンさん.jpg

車椅子のお年寄りと向き合う写真右側の男性が

主人公のロフマンさん。インドネシア出身の介護士だ。

13年前に来日、上田市の施設で働きながら学び、

日本の介護士資格を取得した。

だが、ほどなくして彼は信州を離れることになるのだが。

           ✤          

あす放送のドキュメンタリー「チャンネル4」は

13年間にわたる継続取材がかたちになった。

そこから見えてくるのは、海外の人材に頼らざるを得ない

日本の介護の現実。さらには、いつまで彼ら彼女たちに

頼り続けられるのかという、ある種のジレンマである。

③ロフマンさん(左)と2人の技能実習生.jpg 

「介護」という仕事も言葉も、ロフマンさんの国には存在しない。

そのことに改めて驚かされた。

私自身が老いる頃、この国に「制度としての介護」は残っているのか?

そんなことさえ考えさせられる。

           ✤         

●番組:「チャンネル4~ロフマンと介護」

●放送:5月22日(土)午前9:30~10:25

ナレーター:小山茉美

ディレクター:久和健一郎 

音効・MA:大沢しおり

プロデューサー:伊東秀一

●番組ホームページはこちら↓

https://www.tsb.jp/bangumi/ch4/

2021/05/20 延長の先に

先日、北陸新幹線に乗った知人によると

「車両、貸し切りでした」とのこと。

往きも帰りも、1車両内に同行者との2人だけだったらしい。

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【長野駅を発つ北陸新幹線(上り)/午後7時39分撮影】

           ✤

一方で、普段から東京~京都間を仕事で往復している

大学の先生から聞いた話である。

以前の緊急事態宣言中、「半分以上は空席だったかな」。

それが宣言期間が明けた途端、車両のデッキまで

立ち客でいっぱいだったという。

「宣言の効果・効力」と、その先生は呼んでいた。

           ✤

今月末まで延長されている緊急事態宣言。

気になっているのは、これが明けた後がどうなるかということ。

宣言下とはいえ、1回目ほど人の動きは減ってはいない。

地方都市である地元を見ていてもそれは分かる。

人の多さ、変異株、少なくはない新規感染数等々。

日常的に社会的接触が多い世代にまで

ワクチンだってまだ行き渡っていない。

           ✤

延長期間が明けた先にどんな状況が待っているのか。

不安なのは心配性の私ばかりではない気がする。

2021/05/07 怒涛のような

ゴールデンウィークが去ったのと同時に

春も遠ざかったかな、という印象です。

シャツの袖をまくって歩いた昨日は、

はや初夏の気配がしました。

         ✤

なんとなく慌ただしかったこの1か月。

「往く春」を写真でちょっと回想......。

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【五輪の聖火が通過した直後の長野市新田町交差点/4月1日 19:43】

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【散り終えたソメイヨシノ/信州大学工学部 4月5日】

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【マイカーでの移動中、走行距離計が「123456」に!】

2021/04/28 月の名前

 29.5日おきに巡ってくる天空の月にも

それぞれ名前があることを教わった。

4月の満月を「ピンクムーン」と呼ぶらしい。

「桜色がひろがる季節にのぼる満月だからピンク。

 4月だけの呼び名なんですよ」とは

鈴木智恵・気象予報士からのご教示である。

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【長野市の空にのぼったピンクムーン/27日午後10時前】

            ✤

ものの本で調べてみると、アメリカ先住民がこう呼んだらしい。

一部を挙げてみると・・・・・・

 1月=ウルフ(狼が腹を空かす時季)ムーン

 6月=ストロベリー(苺の熟す時季)ムーン

 10月=ハーベスト(収穫の頃)ムーン・・・等々

季節と一緒の生活感が伝わってくる名称に暫し感心。

            ✤

 以下余談。3年ほど前の冬、善光寺門前で

劇作家・唐十郎さんの劇団員の女優さんと対談した折、

彼女が朗読した作品が「満月の中の満月」(唐十郎作)。

「バドリルブドゥールって読むんですよ、これ」

満月を、アラブの言葉でこう呼ぶのだと教わった。

月の名前は実に奥深い。それにしても、寒い月夜だ。

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