仕事帰りに閉店間際の書店に立ち寄ったら、
「ああ、夏だ」と実感する風景に出会った。
文庫売り場の棚に『〇〇文庫の100冊』という
恒例のキャンペーン広告を見つけたからだ。
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中学生の時分だったか、生家の町にあった小さな書店で
このコピーを見て「夏休みに100冊も読める奴がおるんか?」
と真剣にのけぞった記憶がある。当時は純朴だったのだろう。
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本は好きだが、かつて週1~2冊のペースで読んでいたものが、
今ではせいぜい2週に1冊といったところ。
"量より質"と言っておけばカッコイイのだろうが、
ゆっくり読んだところで本の中身が身についたという実感はない。

ここ何ヶ月かで読了した文庫本を並べてみた(写真)。
杉浦日向子さんの江戸漫画と藤原新也さんの旅行記以外、
何が書いてあったかほぼ記憶にない。やれやれ......。

関東甲信が梅雨入りする少し前、とある日の午後。
善光寺北参道の近くで西の方角を捉えた1枚です。
山並みの間から頭をもたげるように現れた積乱雲。
暫し見上げていても、先端部分が上に向かって
ムクムクと膨らんでいくのが分かります。

雲というのは気流とともに「流れる」ものだと思っていました。
でも、気象予報士の鈴木智恵さんいわく、
「雲って、湧いてくるものなんです」との答えが。
この日の天気図を見せてもらったら、
日本の南に梅雨前線、西日本上空に高気圧、
そして長野県上空には寒気の流れ込みがあったとのこと。
「山間部などで上昇気流が起きれば雲を生むことがあるんです」
と、智恵さんの解説。そうか、あれは生まれたての雲だったのか。
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宮崎駿監督のアニメ映画で、空に浮かぶ伝説の城が姿を隠す
巨大な積乱雲のことを「龍の巣」と呼んでいました。
よくよく写真を見つめていたら、中になんか隠れてそうだな。
検査キットを開封したら30分程度そのまま放置する。
試薬は10滴、唾液は4滴。
混ぜたら十分に撹拌(混ぜ合わせ)をする。

初めての「新型コロナ簡易抗原検査」を自分でやってみた。
隣に置いた検査マニュアルを読みつつ、おっかなびっくりである。
この日は遠来のタレントさんと間近で接する仕事のため、
先方もこちらも、それぞれ検査を済ませてから合流するのだ。
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試薬と撹拌した自分の唾液を、検査キットに3滴垂らし
待つこと数分・・・・・・。

「C」の欄に赤いラインが出れば、キットが正常作動している証拠。
そして「T」の位置にもう一本ラインが現れた場合は陽性、
つまり感染を示す。
ワクチン接種が済むまでは、必要に応じてあと何度かこれを
やらねばならないのだろう。
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80代半ばになる母から先日「接種の予約が取れた」と連絡があった。
こうした検査をすることなく、日常が送れる日が待ち遠しい。
番組の打合せと下見を兼ねて訪れた上田市塩田平。
その片隅で見つけた巨きな木が下の写真です。

根元のベンチや背後の家並みと比べても高さ・幅ともに圧巻。
かなりの古木であることが伺えます。
あの大手電機メーカーグループのCMソングが
自然と耳の奥に聞こえてくるようです。
さて、この巨木。何の木でしょう?

実は!樹下一面に散らばっていたのは、桑の実(写真)。
そう、これほど巨大な桑の木なんて見たことがありません。
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小学生の頃、学校帰りに道端の桑の実を摘んでは口に入れ、
帰宅後、祖父母に「またどっかで桑グミ食べてきたろ!」と叱られる。
口の周りがみごとに赤紫色に染まり、誰が見てもバレるはずです。
ちょっとばかり懐かしさがこみ上げる風景でした。
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(この数日後、「この木なんの木」を作曲された小林亜星さんの
訃報を知りました。なにか不思議なめぐり合わせです。)
日々のニュース原稿に筆を入れるのと、実は勝手が違います。
今回は「新聞」原稿の話です。
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毎月第1木曜と第3木曜、読売新聞長野版に連載中の
アナウンサーコラム『マイチャン。な日々』。
齋藤沙弥香&鈴木恵理香の「news every.」キャスター2人が
交代で執筆を担当しています。
でもって、その原稿直し=赤ペン先生をしてるのが私なのです。

写真は6月3日に既に掲載された鈴木アナの初稿に
直しを入れている時のもの。
放送はできるだけ「話し言葉に近く」を原則に
言葉を選び、表現を模索するわけですが、
新聞となると勝手が違います。
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話し言葉をそのまま活字にすると冗漫なニュアンスになったり、
放送ではあまり口にしない個人の意見を書く場合、
やわらかく表現したつもりが、逆に"当たり障りのない"
感想になってしまったりと、難しさを感じます。
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そんなわけで今週は、17日掲載予定の齋藤沙弥香アナの原稿を
鋭意手直し中なのですが。ん~、この1文が決まらない。
ねぇ齋藤、どうしよう?