鎮火した山火事の跡に初めて入って、驚いた。
斜面一帯が一面焼けているのではなく、
焦げた跡が点々とまだら模様に散っている。
ああ「火が飛ぶ」とはこういうことか、と。


現場は松本駅から南東へ4㎞の、松本市中山の山林。
山並を超える空気が乾燥しやすいこの時季、
松本の地形は、いわゆるフェーン現象が起きやすいという。
様々な要因が、山を2日間も燃え続けさせたらしい。

鎮火後の周辺では、何事もなかったように
田起こしの作業が続けられていた。
(写真=棚田の後方奥が火事のあった山林)
大型連休1週間前の日曜、松本市内の高校に
フリーのアナウンサーや局アナなど5人が集まった。
(写真:松本蟻ケ崎高校で。うち1人は私です)

毎年恒例となった高校生向けの放送技術講習会。
今年の各種放送コンクールに挑む生徒を対象に
アナウンス、朗読、撮影、番組制作などの技術を
現場の専門職である我々が教える場なのです。
✤
嬉しかったのは、8年前の放送コンテスト「TSB杯」に
出場した当時の生徒さんが、地元の局アナとして里帰り、
今回の指導陣に加わって下さったこと。
(写真中央:テレビ松本アナウンサー・根津 葵さん)
伝わり、繋がり、拡がっていく嬉しさ。
言葉と放送の世界に若い仲間が増えていく嬉しさでもあります。
例年のことながら新年度が始まった直後は
賑やかな大学のキャンパス。
だが今年の賑わいはひときわな気がする。

コロナが明けて初めての年度初めだからだろうか。
新入生で溢れかえる信州大学松本キャンパスの混雑は、
何年振りかと思わせる会話と笑い声と
サークル勧誘の声が飛び交っていた。
✤
メディアリテラシーをテーマに据えた私の講義が
今年もまた始まった。週に一度の稚拙なゼミも、
数えてみたら今年でもう15年目である。
私こと今年度は「特任准教授」なる肩書になり、
責任の重みに戸惑いながら、にわか先生はまた
日々迷いながら教壇に向かいます。

きのう、久し振りに実家を訪ねたら
庭の隅で梅がふっくらと花開いていた。
天邪鬼(あまのじゃく)な私は、
サクラよりも梅が好きだったりする。
気が付けば春の盛りも、もうすぐらしい。

春はまた、番組が大きく変わる「改編期」。
おとといの『ゆうがたGet!』では、17年間お世話になった
料理コーナーの草間順子先生が最後のご出演となった。
名コンビだったマンモウ飯田さんの、
これほど寂しそうな顔は初めてだったかも。
✤
新しい季節の始まりは、常にさみしさと紙一重。
さて、私も準備をせねば。
新年度まで、あと3日。
数ある「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズで、
たまたま最初に観た作品にいきなりゴジラが登場して
度肝を抜かれたのが、昨日の事のように思い出されます。
(写真は去年の『映画監督 山崎貴の世界』展@松本市美術館で)

「山崎貴監督がオスカー受賞」の速報がTV画面に流れた瞬間、
思わず「よっしゃ!」の声が腹の底から出ました。
✤
「松本の山崎監督から、もう世界の山崎監督ですよ」
生放送で松井美幸アナが放ったひと言の重さが、
まる1日経った今日になってじわじわと浸みています。

去年、山崎監督の地元・松本市で開かれた展示会の
開幕式典でご一緒した時のあったかーい人柄が
"世界のYAMAZAKI"の根っこにあったのだと
今更ながら感じます。
おめでとうございます、監督!
あー、またお会い出来たらいいなあ(一ファンとして)。