2022/12/21 父の上野駅

‟本読み"だった父が他界して間もなく7か月。

実家で彼の書棚を整理していたら

淡い紺色の背表紙が目に留まった。

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推理小説に被せられたブックカバーは、少し日焼けしていた。

印刷された電話番号は局番が一桁少なく、

地図を検索しても、この書店名はもう存在しない。

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高校を卒業後、すぐに上京して就職。

結婚を機に長野に戻ったと、母から聞いていた。

晩年は遠出することもほとんどなかったが、

私が東京の大学に進学した時、

昔の東京の話をする父の声が

いつになく弾んでいたのを思い出す。

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新幹線のなかった頃。父にとっての東京は

上野にはじまり上野に終わる、そんな時代だったのだろう。

「上野」という活字から、遠い日、東京に暮らした

父の気配がすこしだけ感じられた気がした。

本は処分したけれど、このブックカバーだけは

今も捨てられずにいる。

2022/12/19 マイチャン。の年越し

いつになく真剣?な顔でパソコン画面に向かう

木下歌織アナウンサー。何やらデータを整理中です。

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これ、『ゆうがたGet!』出演者から集めたアンケートを

集計しているのです。

「今年のやり残し」「年末年始の食や遊び」等に関わる諸々を

「マイチャン。アプリ」を通じて皆さんにご紹介するという企み。

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ところ変われば品変わる。様々な土地で幼少期を過ごした

『ゆうがたGet!』の面々の回答にもご注目下さい。

公開予定のご案内まで、もう暫しお待ちのほどを。

 

2022/12/18 辻井さんと師走

今年もまた嬉しい師走がやってきた。

ピアニスト・辻井伸行さんとご一緒できる季節だから。

先週15日、実に8年ぶりだという長野市での演奏会で、

影アナ(場内アナウンス)を務めさせていただいた。

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下手(しもて=客席から見て舞台左袖)にある影アナ席からは

こんな目線でステージと客席(右手奥)が見えている。

そして、約2時間のリサイタル中、姿は見えずとも

辻井さんのピアノがずっと聴こえているという幸福な席だ。

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一昨年のクリスマスは松本、昨年は伊那、そして今回。

1年を締め括るに、これを「役得」と言わずして何と言おう。

辻井さんの柔らかな演奏と音楽に、感謝である。

            ✤

とはいえ、あと1週間、まだ仕事が残っている。

嗚呼、明日もニュースがあるぅ・・・・・・。

2022/12/13 いちおう合唱部員

真面目に歌を唄うなんて何年ぶりでしょう?

しかも他人様に聴かせるなんて一大事です!

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収録当日、朝から他の仕事そっちのけで会社の屋上に上り、

慣れぬ楽譜を手にひたすら自分の低音パートを繰り返す。

           ✤

「ZIP!」の朝ドラマ『クレッシェンドで進め』の1曲を

全国のアナウンサーが合唱するという大企画に、

テレビ信州のアナ有志も手を挙げたのです。

成果は「テレビ信州公式YouTubeチャンネル」で♬

           ✤

配信とは怖ろしいもので、合唱動画が公開されたその日に、

関西に住む友人から携帯にメッセージが届きました。

友:「若者はみんなカメラ目線で涼し気に唄っとるのに、

   なんでオッサン1人だけ楽譜見ながら唄ってんねん?」

私:「バス(低音)のパートはなかなか難しいの!

   楽譜見ながらでないと唄えないの!」

           ✤

こんな合唱部員ですが、どうか温かい目で見てやって下さい。

ちなみに楽曲は『心の瞳』。あの坂本九さんの名曲です。

2022/12/12 牛と牛飼いの日々②

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5日間で全国から30万人以上が来場する一大イベント。

私たちが取材した「全国和牛能力共進会鹿児島大会」が、それです。

和牛日本一を目指して長野県から挑んだ和牛農家と、

下伊那農業高校の生徒たちの約5か月間の記録が放送されました。

           ✤

でも、子牛から育ててきた1年、2年の歳月からすれば

カメラが捉えたのはほんの一部にすぎません。

でも、そこから感じられたのは「牛が可愛くて仕方がない」

「牛は家族。だからこそ高く評価して、高く買って欲しい」

という生産者の思いでした。

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大会を最後に飼育から引退した高校3年生の言葉。

「牛と一緒に過ごせてよかった」

「食に対する見方が変わった。スーパーに並ぶものを見ても、

 ああ、苦労して作られてここに並んでるんだって」

1人の女子生徒が、牛の背を撫でながらぽつんと呟いたひと言が

今も忘れられません。

「この子(牛)といる時間は、宝物なんです」

           ✤

そんな大切な時間の片隅に、一緒にいさせてもらったこと、

本当に感謝しています。

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