「木漏れ日の美術館」という呼称がしっくりくる新緑の中、
24回目の成人式は行われた。
上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」の成人式。

県内外19人の新成人を前に窪島誠一郎・館主が贈った言葉は
「迷いなさい」だった。
「84歳のジイサン(=窪島さん自身)がいまだに
自分は何だったのかと迷いながら生きている。
だから迷っていい。おおいに迷いなさい」
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正解を求めたがる、答えを急ぎたがる若者が多い現代に、
思う存分「迷う」ことの贅沢を味わってみてはどうか。
私にはそんなふうに聞こえた。

新成人を導いた司会は、7年前にここ無言館で成人を祝った
下村えりかさん(写真右)と、テレビ信州では新成人に一番近い
寺澤達哉アナウンサー・24歳。去年に続いてのコンビだ。
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先週、海外の旅から戻ったばかりという下村さんは
「私も色々迷ってます、この年齢にして」と屈託なく笑う。
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「迷うことは、自分と向き合うことなんです」
窪島さんの声が耳の奥に残っている。
年度末、溜まっていた休みを使って大阪を訪ねた。
前日にソメイヨシノの開花発表があったせいか、
淀屋橋、梅田、難波、通天閣、何処も圧倒的な人出だった。
そんな中、近鉄電車に乗り換えて郊外の住宅街を目指した。

眼を射るように鮮やかな紅色のキワタが咲く東大阪市小阪の路地。
敬愛する故・司馬遼太郎さんの記念館を兼ねた自宅がある。
地下から天井まで高さ11m、壁三面を埋めた2万冊の本棚を見ると、
ああ、作家の頭の中はこんなだったのか、とも思う。

小さな森のような庭からは、生前のままだという
司馬さんの書斎を窓越しに望むことができ、
窓外には菜の花と紫のツツジが花を開いていた。
この窓辺から世界を、日本を、歴史を俯瞰し続けた
ひとりの巨人がいたことを思いながら、私自身、
言葉を生業とする人間として初心に帰る旅でもあった。
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きょう3月31日、ひとつの区切りとなる定年退職の辞令を受けた。
あすからは再雇用社員。その形にこだわることなく、
言葉と社会に初心で向き合えたら、と思っている。
「月に一度の山登り」と私は勝手に呼んでいる。
まあ実際に私が登っているわけではないのだが。

「ゆうがたGet!every.」人気山登りシリーズ、
「金子貴俊のテッペン頂きます season3」のナレーション収録で
録音ブースに暫しこもった。

寒の戻りで里もここ数日寒さが続いているが、
きのう辺り新雪が真っ白に見えていた山々は
どのくらい寒かったんだろうか?
来週3月16日(月)の放送で丸3年を終えることになる。
4月以降の「season4」はあるのか?乞うご期待である。
それにしても、こんな凄まじい表情をしながら
私は一体どんなナレーションを読んでいたんだっけ?
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★3月16日(月)ごご3:50~「ゆうがたGet!every.」
★放送終了後、TVerでの配信も始まります。
けさの出勤前、妻のジャケットの襟もとには
丸い布製のブローチのようなものがあった。
「きょうは大槌刺し子を付けていこう」

岩手県大槌町(おおつちちょう)は、妻が生まれ育った釜石市の
北隣に位置する三陸沿岸の町である。
そこで震災後の避難生活を送る住民に、針仕事を通じて希望を見出して欲しいと
5人のボランティアから始まったのが「大槌刺し子プロジェクト」だという。
ひと針ずつ丁寧に縫い付けられた模様が可愛らしい。

いまも行方不明の2515人(※1日現在:警察庁集計)の中には、
妻の親戚も何人か含まれている。
あの日から15年。出勤していく妻を見送りながら、
今できることは何かと、あらためて問うてみる。
★「大槌刺し子プロジェクト」HP ⇒ https://sashiko.jp/
松の内が明けたおととい、家中の注連飾りを外していたら
我が家の猫が珍しそうに注連飾りをいじり始めた。
なに?まだお正月が恋しいのかえ?


そして今朝、出勤途中に善光寺表参道で出くわした
長野市消防局の出初式。この車列を見ていたら
「ああ、正月気分も抜けるかも」と静かに実感した。
でも世の中はきょうから3連休、私はニュース勤務。
むむ・・・・・・。