こんなタイトルを付けると、
豚のパイロットが操る紅色の飛行艇とか
世界的大怪盗の相方が使いこなす拳銃とか、
アニメ的発想ばかり浮かぶのは私だけでしょうか。

アナウンサーにとって「愛機」といえば、
実はストップウォッチのこと。
ニュース原稿やナレーションの長さを測り
映像の秒数に合わせる作業には不可欠の道具で、
1人1本必ず常備しているのです。
かくいう私のそれは、35年前に入社した前職場で
支給されたデジタル式のもの。
数か月前、内部の金具の接触が悪くなり
秒数を表示する液晶の数字が停まったままに。
何度か自力で分解していじってはみたものの、
やはり修理に出さないと無理かなぁ。

実は、私と同じ思いを味わっているのが
「news every.」の鈴木恵理香キャスター。
彼女の‟相棒"が故障してしまったのです。
たかが道具というなかれ、手に馴染んだ1本は
小さくても手放しがたいもの。
ストップウォッチをめぐる鈴木キャスターの顛末は
2月3日(木)の読売新聞長野版掲載のコラム
『マイチャン。な日々』で触れられています。
道具と時間にまつわる彼女の思いの一端が
垣間見えるはずです。
松本市の信州大学で私が受け持ってきた講義の
今年度最後のひとコマが、きょう終わった。

学年末の試験期間中というだけではない。
長野県に初の蔓延防止重点措置が出されていることもあり、
昼休みの学内にいつもの賑やかさはない。
昼食時は行列ができる学生食堂も、
利用者は数えることが出来るほど。

イベント告知の立て看板には「中止」の紙が貼られ、
サークル案内の掲示板も、チラシの枚数は少なめだ。

試験期間が終われば、大学はどこも長い春休みに入る。
「ようやく対面授業ができたと思ったんですが、
良い時期がこれほど短いとは・・・・・・」
長年教壇に立つベテランの先生がぽつりとこぼされた。
✤
希望の春という言葉を口にできるのはいつになるのか。
学生たちが書いてくれたレポートを鞄に仕舞いながら、
心の片隅で小さくつぶやいてみる。
「負けるな、あきらめるなよ、大学生!」
朝、出勤前に体温を測る。きのうより0.3度低め。
掃除機をかけ、パソコンで古い音源のピアノ・ソナタと
あいみょんの歌をしばし聴く。
あいみょん......いいですねぇ♪
日々増えゆくニュースの数字をノートにとりながら、
今やること、できることを、できる範囲で続ける。
きのうも、きょうも、出来ればあすも。

産地直売の野菜や果物を買うのが好きで、
家人とよくあちこちを巡ります。
農産品の良さが、ある種の直球で伝わってくる、
そんな場所がこの産直だと感じます。
でも、これが食肉となるとそうはいきません。
衛生・安全基準に基づいて都道府県が許可した施設以外では
家畜を肉にする加工・処理が認められていないからです。

その必須施設である食肉処理場が閉鎖された地域では、
地元畜産農家が牛の出荷先に苦慮しています。
「後継者もいないし、牛の行き先まで無くなった」
そんな農家のつぶやきから、この企画取材は始まりました。

取材先は長野県内に留まらず、真夏の古都・京都へ。
そこでは地元京都産の牛肉に匹敵する高い評価が
「信州牛」に与えられていました。
そこから見えてきたのは信州の牛肉・食肉をめぐる
内外の「評価差」と「公と民」の関り方でした。

【写真=京都府亀岡市の牛舎を取材中のスタッフ】
✤
今年最後の「news every.」(きょう午後6:15~)は
肉牛をめぐる議論の一端を大型特集でお伝えする予定。
知られざる食肉の現場と、信州自慢のブランド牛肉を支える
課題が見えてくるはずです。
この「牛をめぐる議論」、皆さんも是非考えてみて下さい。
61歳で初めての著書が刊行され、
69歳で他界された須賀敦子さん。
書き手としてのあまりに短い生涯に驚かされます。
一方で、随筆家、翻訳者、イタリア文学者、
ボランティア、カトリック信徒と、
多彩な顔を持つ人でもあったそうです。

きのうの『西蔵放浪』(藤原新也・著)に続いて
私が繰り返し手に取る本をご紹介。それが、
『須賀敦子全集』全8巻+別巻(文庫・河出書房新社)です。
✤
再読、再々読したページに付箋をはさんでいたら、
いつの間にかこんなになりまして(写真下)。

私こと、今月56歳の誕生日を迎えたとはいえ、
須賀さんが初めて本を出した年齢にすら達していません。
何かを始めるのに遅すぎるなんてことはない。
須賀さんの生き方から、そんなことを学んでいます。
✤
週明け27日から、「マイチャン。アプリ」で
「ゆうがたGet!」出演者がおすすめする
‟年末年始の〇〇〇"がスタート。
そのトップを切るのが私の「本の話」なのです。
小欄掲載の本のほかに、漫画も登場予定♪
よかったら、ちょっと覗いてみて下さい。