2022/03/29 山上からの祈り

鑑賞料は、入り口ではなく出口で支払う。

それがこの美術館のルールに以前からなっている。

久しぶりの館内を二巡ほどしてから、出口へ。

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受け取ったチケットと案内に加え、もう1枚、小さな紙片が。

戦禍のウクライナへのメッセージが記されていた。

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上田市塩田平を見下ろす小高い山の上にたつ

「戦没画学生慰霊美術館・無言館」はことし開館25年。

戦争の歴史、戦後の歴史、人間の歴史が

1枚1枚の絵に刻み込まれているといってもいい。

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「戦争が無ければ、無言館などという美術館は

 無くたっていいはずなんです」

雑談がウクライナの戦況の話に及んだ時、

窪島誠一郎館主は穏やかな語気を、一瞬だけ強めた。

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戦争に関わり続ける美術館にしか、出来ないこと。

80歳を迎えた館主は、日々そのことを考え続けている。