2025/08/31 筆に込めた「戦争」

放送終了後も様々な方から反響を頂いている。

先週23日に放送した戦後80年のドキュメンタリー。

あの番組タイトルの題字を書いてくれたのが、

松本蟻ケ崎高校書道部の生徒さんである。

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戦後80年の節目に、若い世代にも戦争を考え学んでもらう。

そのきっかけとして、戦争番組の制作に「題字」という役割で

関わってもらえないか。

そんな私たちスタッフの依頼を快諾して下さった。

その後、届いた題字のデザイン案は7作品。

どれも魅力的かつ個性に溢れ、悩みに悩んだ挙句

スタッフによる投票で決したのが写真(上)の題字だ。

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海の拡がりを大きな「点」で表現したかったという

作者の思いを知ってか知らずか、プロデューサー(私)の

勝手な一存で、さんずいの一点を「海の青」にしてみた。

結果、「あの青が素敵でした」と生徒さんのお墨付きを頂いた。

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全国書道パフォーマンス甲子園で毎年見事な成績を残す

蟻高書道部と一緒に作った番組は、私たちにも自慢の一本。

先日、お礼に伺いつつ全員で記念写真に納まってもらった。

みんなイイ笑顔でしょ♫

(※前列左:顧問の橋渡みのり先生。後列右:中澤久美子ディレクター)

2025/08/15 ヒマラヤスギと戦争

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朝夕、毎日その巨木の下を通りながら、

存在を意識し始めたのはごく最近のことだ。

TSB局舎の前の交差点脇に立つヒマラヤ杉。

テレビ塔とまではいかないが、3階建ての局舎は優に上回る。

酷暑の昼間、木陰に入ると不思議と暑さを感じない。

他の日陰よりも涼しく感じるのは気のせいか。

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TSB開局前、ここは県農業試験場と農業大学校の北門があった。

古い資料によると、ここに農業試験場が移転したのは大正10年。

当時から立っていたとすれば、ヒマラヤスギは

あの戦争も見てきたということになる。

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昼間、自転車を漕ぎながら汗だくになって樹下に入り、

ほっと一息ついて巨大な幹を見上げてみる。

ヒマラヤスギは、独り黙って立っていた。

きょう8月15日、80年目の終戦の日。

2025/08/14 特攻基地のあった町で

終戦間際、日本軍は「回天」という兵器を造った。

長さ14m余り、直径わずか1mの鉄の筒に

人間が乗り込み敵艦に体当たりする、いわば「人間魚雷」。

その出撃基地があった山口県周南市を訪ねた。

この町で生まれ育った戦没画学生のご遺族に会うためだ。

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「今、芸大に入ると親子で乾杯してるけど、あの当時

 美術の道に進むなんて‟非国民"だったんです」

こう語るのは、戦没画学生慰霊美術館「無言館」(上田市)の

共同館主である窪島誠一郎さん。

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その窪島さんに画学生だった兄の遺作の一部を託し、

同時に他の絵を80年以上も守ってきたのが原田茂さん(87)だ。

取材中、会場に並んだ兄の絵を前に目を細めた。

「こんなに嬉しいことはないです」

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窪島さんは講演の中で、テレビや新聞の紋切り型の戦争報道にも

厳しい言葉を向けた。

「反戦平和、無念の涙。あの四文字言葉やめてほしい。

 そんな(気持ちで描かれた)絵は一枚もない。

 彼らは、自分を絵の道に送り出してくれた家族に

 ありがとうの気持をこめて描いている」

 「ごく身近な人を愛しきった、絵はその証し」

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力強い言葉に、350人が埋めた会場からは嗚咽が漏れる。

カメラの横に立つ私も、思わず目頭が熱くなった。

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画学生の絵が伝える家族、故郷、あの時代のこと。

ご遺族の言葉、窪島氏の言葉の中から見えてくるもの。

あす15日の「ゆうがたGet!every.」(午後6:15~)でお伝えする。

 

2025/08/06 のんちゃんに伝えたいこと

番組開始まで残り40分となった午後5時半すぎ。

広島からの中継回線にはリハーサル中の小椿希美アナの姿が。

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「ゆうがたGet!every.」今夜6時台の県内ニュースでは

小椿アナの大叔母にあたる88歳の女性が登場する。

8歳の頃、当時住んでいた広島市郊外で被爆したが

その体験を誰にも語ってこなかったという。

「のんちゃん(小椿アナ)の取材なら話してもいい」

そう仰って下さったのが、この特集のきっかけだった。

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小椿アナも初めて聞いたという親族の被爆体験。

被爆者、戦争経験者が年々少なくなる中、

「のんちゃん」を介して語って下さった貴重な体験、

今夜とあす「ゆうがたGet!every.」で連続でお伝えする。

★6日放送=午後6時15分~

★7日放送=午後3時50分~(予定)

2025/08/04 テスト・学食・夏休み

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午後2時、学食で遅めの昼をとっていてふと気付く。

いつもの同時刻に比べて随分と賑やかである。

教科書を広げて「あーでもないこーでもない」と議論する集団。

パソコンを開いて真剣な眼差しでキーボードを叩きつつ

魚のタルタル定食をほおばる女の子。

そうか、学内は期末テストの期間である。

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信州大学で受け持つ私の前期講義15週が終わった。

かくいう私も、間もなく教え子たちのレポート添削を始める時期。

斜め向かいの席では、ジャージ姿の男の子が今どき少なくなった

紙のノートとペンを手に、外の深緑をぼんやりと眺めている。

頑張れ大学生!ここを乗り切れば夏休みだぞ☼

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