お盆に戻ってきた先祖が迷わず家に辿り着けるように。
そんな意味があるのだという。言われてみれば
あのほんのりと朱い色は、たしかに提灯の色とも重なる。
迎え盆のきのう、実家の仏壇に鬼灯(ほおずき)を飾った。
私が小さい頃は毎年やってくる「お盆の色」だったが、
いつの頃からか飾るのをやめてしまった。
昨年、父が他界して初めてのお盆(新盆)を機に飾ったら、
母が随分と懐かしがり喜んでくれた。
で、今年も生花店で買い求めた。
✤
一説では、身体を持たない先祖がお盆の間に身を置く場所が
この鬼灯の空洞の中なのだという話も聞いた。
仏間で提灯のような朱色を見ていると、
ふと表の酷暑もしばし忘れる気がした。