「おばあちゃん、きのう(施設から)帰ってきたばかりなんです。」
「家の中が新しくなっててびっくりしてました」
✤
改修した自宅での暮らしが戻ったことに、男性は顔をほころばせた。
90代の母親は災害発生当時、施設に避難していて
我が家が床上浸水したことは知らせていないという。
あの台風災害から、間もなく1年が巡ってくる。
千曲川上流に位置する南佐久郡佐久穂町を訪ねた。
上流の山間に降った豪雨で川が氾濫。川沿いの集落は大打撃を受けた。
一見穏やかに見えるダムの底にも、大量の土砂が沈んでいる。
人口1万1000人の町で、復旧作業に携われる業者の数は限られる。
川底に堆積した土砂の撤去は県の管轄であり、町の独断では手が出せない。
さまざまな制約の中、小さな町は前に進もうともがいている。
だが、実際の復旧は思うようには進んでいない。
✤
ともすれば下流部の被害に目が向きがちな台風19号災害。
その上流の町の今を、今夜の「news every.」でお伝えしたい。