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近年、学生が企業など実社会を学習の一環として体験する「インターンシップ」が盛んに行われていますが、テレビ信州でも開かれた放送局を目指し、積極的に学校からの要望にお応えしています。
メディアリテラシーは「読み書き能力」の養成を基礎に発展してきた分野です。
このため学校現場では国語、社会、情報教育など文系の授業に取り入れられる傾向があります。
しかし放送局は新聞や出版と違って、「電波」という特殊な伝送手段を使って、視聴者に情報を伝える装置産業です。
電波の特性や放送技術を学ぶ中で、リポーターやスタッフがどういう仕事をして、どんな立ち振る舞いをしているのか、学生たちが直接見聞きすることは、テレビの特性を読み解く重要な「リテラシー」になると考えます。
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■長野工業高等専門学校からの学生の継続的受け入れ
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2000年ごろより長野工業高等専門学校から、学生を研修させてほしいとの要請が寄せられました。
そこで学生の専門を考慮し、制作現場で中継現場などで実地研修を積んでもらうことにしたのが始まりです。
その後2002年に、同校が「実務訓練」を制度化し、原則4年生を対象に、企業で実習した学生に単位認定することとなりました。
受け入れ期間は学校の夏休みで、学科によって違いますが、毎年数人が5日間または10日間単位でテレビ信州に勉強に来て、制作技術部が受け入れ窓口となって研修に取り組んでもらっています。 |
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■これまでの研修内容
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・ズームインSUPER中継実務
・24時間テレビ中継実務
・サイトウキネンフェスティバル中継実務
・ニュースプラス1信州内の中継コーナー実務
・マスター見学
・ゆうがたGetスタジオ見学
・選挙特番準備 など |
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2004年8月21日~22日の「24時間テレビ」で制作技術担当者と
(左:長野高専電子情報工学科 4年 牛尼 惇さん)
(中:同 電気工学科 4年 小菅 麻衣子さん) |
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終了後の学生のレポートより |
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テレビ局というものに関してより深いことを知ることができました。 |
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24時間テレビの「サライの合唱」でたった8秒の中継にこれだけの手間と労力がかかっているのはホントにすごいと思いました。 |
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放送のまとめ方、CMの入れ方、時間構成などテレビを見ているだけではわからないことがわかりました。 |
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研修以降テレビの見方が少し変わりました。
スーパーがどうとか、この番組はどこから流しているかなど、自然と考えてしまいます。 |
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朝から山に登って中継したのにうまく行かなかったときは、悔しいっていう感じでした。
普段見ている方としては「なんだよこれは」って思ったことがありますが、やっている方は「もっと思うところがあるのだ」ということに気づくことができました。 |
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アナウンサーが笑顔でしゃべっているが、その裏では綿密に文章などが試行錯誤されて、やっと放送にたどり着くのだということを知り、テレビの見方が少し変わった気がしました。 |
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考 察 |
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制作技術という角度からのテレビ局の体験ではありますが、「テレビの見方が変わった」といった感想が毎年のように寄せられています。
こうした感想は民放連のパイロット研究で実践した「3分間のミニ番組作り」を体験した中学生や高校生からも数多く寄せられています。
このことは「技術系のインターンシップ」もテレビ局やテレビの特性を正しく理解してもらう貴重な機会になっているということを裏付けています。
3分間の番組作りではテレビの特性や映像の特性を学んでもらいますが、技術系の研修では「電波の特性」という、目に見えないテレビの舞台裏を知ることもできるわけです。
また学生のリポートでは、制作技術スタッフへの心温まる感謝の言葉も、かなりのスペースが割かれています。
情報の受け手と送り手を結び、信頼関係を築いていけるということが、テレビ信州がメディアリテラシーに積極的に取り組んでいる大きな理由でもあります。
その意味でインターンシップは、テレビ信州にとってもメディアリテラシーの観点から有意義なものとして位置付けております。 |
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追 記 |
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「この研修を通じて自分は将来どうしたいのか、就職をどうするかなど真剣に考えなければと思いました。」など、就職への動機付けになったといったコメントが数多く寄せられています。 |
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また専門技術に関しても、初めて知った喜びや驚きが相当数寄せられていますが、誌面の都合上割愛させていただきます。 |
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この他、テレビ信州には毎年多くの中学校や高校から「職場体験」で生徒さんが訪れます。
今年の24時間テレビにはプロデューサー業務の体験に飯山北高校3年の成田かおるさんと、長野南高校3年の倉科香澄さんが来社。
制作部の番組プロデューサーから仕事の内容について説明を受けました。 |
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イベント会場の長野県県民文化会館にて |
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