「ねえ、あれってあなたの字でしょ?」
夜、自宅で録画しておいた『ゆうがたGet!』を見ながら
家人がぼそっとつぶやく。同居人とは恐ろしいものである。
県内の新型コロナ新規感染者が1日で30人となったきのう、
生放送での解説用に私が大急ぎで手作りしたフリップ(写真)である。
データは長野県のホームページから抜粋した最新(11月12日時点)の数値。
放送中に数字が更新された場合にも即応できるよう、
時折こんなアナログな手法で生放送に臨んだりもする。
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コロナ患者用病床の16%が埋まっているという数字に触れた際、
リモート出演して下さった感染症専門医は、この数字を厳しく読んだ。
「これは1週間前の数字であり、この数日で実数はさらに増えています」
「16%はあくまで全県平均の数値であり、北信(=県北部エリア)の病床は
既にほぼ埋まっているのが実態です」
前日にも出演されたこの医師は、地域の病院のベッドではまかなえず
一部の患者を他地域の病院が受け入れている旨を番組内でも話していた。
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私たちはともすれば「まだ16%」と「まだ」を付して読みたがる。
それが少し前の数値であること、そして県平均=つまり大きな面に
おしなべた数値であることを軽く見てはいないだろうか。
地域=小さな面で見たとき、事態ははるかに厳しくなっていることまで
私たちは想像しなくてはいけないのではないか。
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別の専門医が教えてくれた言葉を思い返す。
「今出ているのはきのうまでの数字、もしくは1週間前の数字です。
1週間後には今の数字が何倍かになっていると思って下さい」
16%がもし2倍、3倍になったら・・・・・・。
そうならないために、今出来ること、すべきことを想像してみる。