けさの出勤前、妻のジャケットの襟もとには
丸い布製のブローチのようなものがあった。
「きょうは大槌刺し子を付けていこう」

岩手県大槌町(おおつちちょう)は、妻が生まれ育った釜石市の
北隣に位置する三陸沿岸の町である。
そこで震災後の避難生活を送る住民に、針仕事を通じて希望を見出して欲しいと
5人のボランティアから始まったのが「大槌刺し子プロジェクト」だという。
ひと針ずつ丁寧に縫い付けられた模様が可愛らしい。

いまも行方不明の2515人(※1日現在:警察庁集計)の中には、
妻の親戚も何人か含まれている。
あの日から15年。出勤していく妻を見送りながら、
今できることは何かと、あらためて問うてみる。
★「大槌刺し子プロジェクト」HP ⇒ https://sashiko.jp/









