2003年度の取り組み
小中学校教師のメディア研究授業
7月28日、南安曇教育会に所属する小中学校の国語科の教師を中心におよそ30人が参加して、メディアをテーマにした研究会が開かれました。
小学校の国語に「マスメディア」について扱った教材があることから、生の声を聞く機会を持つ目的や、今後の授業でメディア教育をどう展開していったらよいのか、その可能性を探る目的で初めて行われたものです。

きょうの研究会ではテレビ信州の小島寿一中南信報道室記者が講師を務め、先生たちが3人一組となり、ニュース作りのゲームに挑戦しました。
講義の様子 講師を務めた小島寿一記者
テーマは「うす作り」。去年暮れに実際に小島記者が取材し放送したニュースの一つです。
ゲームのルールは映像の主なシーンを画像としてプリントした15枚のカードの中から6枚を選び、1枚の制限時間内にそれぞれのチームの編集方針にそって、自由にニュースを制作してもらうというものです。

今回は、プレゼンテーションソフト「パワーポイント」の講習の意味も込めて、このソフトで同時に
カードの並び替えや、テロップ(字幕)の出し方、効果のつけかたなども同時に実習が行われました。
パワーポイントを使って紙芝居のように映像のカードを並び替える。
作品は、うすの製造過程を作業の流れに沿って紹介するものもあれば、材料のケヤキの木が減っている現実に焦点をあて、林業の衰退や森林環境の問題を訴えたものもあって、バラエティー豊かな仕上がりとなりました。

1分30秒の短いニュースにこめられる情報量はわずかです。
参加者からは取材した情報のどの部分を取り上げるかで、まったく違ったニュースになること。またニュースにも取材した記者の意図があることがよくわかったとの感想があがっていました。
新聞の特性を学ぶ方法は、紙と鉛筆さえあれば簡単にできることから「学級新聞」作りなどで広く行われていますが、テレビについて学ぶ機会はビデオカメラや編集機材などを揃える必要があるうえ、その扱いもマスターしなければならず、教育現場での普及はまだまだです。

しかし今回は、現場の教師から研究会を開きたいという意向を、テレビ信州が受けたもので、このような動きが出てきたことは、メディアリテラシーへの関心が高まってきたことをうかがわせるものであり、注目されます。
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