放送番組審議会
 
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第411回 テレビ信州放送番組審議会(概要)
■日 時■ 令和4年12月22日(木)
■場 所■ テレビ信州 本社(長野市)(Web参加の委員も)
■出席委員■ 石川 利江 委員長、松田 正巳 副委員長、河村 洋 委員、関 由美江 委員、長谷川 敬子 委員、柳澤 勝久 委員、山下 貴司 委員、渡辺 理雄 委員
■議 題■ 【合評番組】
チャンネル4「和醸良酒 ALSでも好きに自由に」
令和4年10月29日(土)9:30~10:25放送

【番組内容】
諏訪市で江戸時代から続く「酒ぬのや本金酒造」。
9代目・宮坂恒太朗さんは、杜氏を継いだ2年後に難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。
体はほとんど動かなくても車いすから指示を出し、衰えない五感で日本酒造りを続けてきました。
病の進行から手術を決断し、声を失いましたが、心の自由と仕事へのこだわりは失われません。
うまい酒と人生の喜びを醸し続ける杜氏の3年間を追いました。

【主な意見】

・「和醸良酒」というタイトル通りの映像で、家族や現場製造責任者の今井さん、お客さんといった和がうまい酒造りに繋がっていて、酒造りが恒太朗さんを中心とした人の和を強くするというような素晴らしい内容でした。

・症状の進み具合はそれぞれだということに驚き、ALSという病気の難しさを感じさせられました。県下には214名の患者さんがおられ、他の患者さんの生活や支援などの実態はどうなのか目を背けてはいけないと感じました。

・恒太朗さんが杜氏として頑張っている姿の裏側で、葛藤や悩みや心の浮き沈みというものがきちんと捉えられていると思いました。同時に、ご家族の明るさが描かれていて、難病を受け入れて共に生きようとする姿に焦点が当てられ、大変さは感じつつもそれを日常として生きていく姿に励まされる内容でした。

・闘病を描くドキュメンタリーは、病気が抱える大変さに傾き、闘病生活がクローズアップされることが多い気がしますが、今回は恒太朗さんが杜氏の仕事を周りの人々に支えられながら行っている場面が多く描かれていてバランスが良かったです。

・病気は進行しても、杜氏として新しい酒を作り出す意欲があり、前回よりも表情が明るくなったような感じがしました。この強い意志と周囲の支えで、ひょっとしてこの病気も克服できるのではないかなという希望を持たせるようなエネルギーを番組から感じました。