放送番組審議会
 
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第414回 テレビ信州放送番組審議会(概要)
■日 時■ 令和5年3月23日(木)
■場 所■ テレビ信州 本社(長野市)(Web参加の委員も)
■出席委員■ 石川 利江 委員長、松田 正巳 副委員長、河村 洋 委員、関 由美江 委員、長谷川 敬子 委員、柳澤 勝久 委員、山下 貴司 委員
■議 題■ 【合評番組】
チャンネル4「遺された戦争ポスター」
令和5年2月25日(土)9:30~10:25放送

【番組内容】
阿智村には戦時中に政府や軍が製作した戦争ポスターが残されています。
当時の村長が焼却処分命令に背いて蔵に保管していた141枚は、「勝利だ、戦費だ、国債だ」と力強い文言と鮮やかな図案で、国民に戦意高揚を促す一翼を担っていました。
取材で見つかった原元村長の日記には、戦死した亡き息子への思いが綴られていました。
ロシアのウクライナ侵攻から1年が経つ今、変わりゆく世界情勢に何を語りかけるのか…遺された戦争ポスターから考えました。

【主な意見】

・戦争ポスターを初めてじっくりと見ることができました。随所にポスターが散りばめられていて、ナレーション以上に描かれている絵と言葉に目が釘付けになり、訴えるものがありました。

・原元村長の日記を、孫の彰彦さんが読む場面が印象に残りました。父親としての悔しさや悲しさが伝わり、「未来で同じことが再び起きないように、悲惨な戦争の証拠にポスターを遺した」という彰彦さんの解釈に同感しました。

・ポスターなどの宣伝により、国民は日本の勝利のために戦争へ加担していったことが想像でき、まさに今ロシアが行っているプロパガンダの一端を見ているようでした。挿入されているロシアのミサイル攻撃の映像からも戦争の悲惨さが伝わりました。

・印象操作は良くないと強調されていましたが、ポスターによる宣伝活動は広告の本質であり、刺激的な色彩や高揚する文句で青少年を煽ることが悪いのではなく、訴求する内容が悪いのであって、中身と手段が混同していると感じました。

・遺された141枚の戦争ポスターをどんな方々が描いたのか、どんな思いで描いたのかということに焦点をあてても面白かったと思います。

・中学生がポスターを見て語り合っていましたが、コメントが素晴らしかったです。若い世代に見てもらう機会を作り、自由に受け止め、自分たちが正しいと思えることを探すという姿勢が大事だと思いました。

・平和について問いかけ、考え・示唆を与えてくれ、「遺された戦争ポスター」は私たちに何を語りかけているのだろうと大変考えさせられる番組でした。